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女性化乳房症の手術方法(治療方法)について

女性化乳房症はある程度症状が長期にわたって固定してしまうとほとんど胸の形に変化がありません。

自然に改善することが難しくなります。

そのような場合には手術によって女性化乳房を改善します。

ここでは女性化乳房症の手術方法についてお伝えしていきます。

手術方法

女性化乳房症に対する手術は主に以下のようなものがあります。

女性化乳房症の手術方法

  • 乳腺切除
  • 脂肪吸引
  • 乳房切除(切断)+乳輪・乳頭移植

明らかな乳腺の肥大を認める場合には乳腺を切除する必要があります。
また、乳腺組織の肥大だけではなく皮下脂肪の量によっては脂肪吸引が有用になります。
上記のような手術では乳房の大きさ、下垂が対応できないくらいの大きさになると乳房を切断することもあります。
その場合、乳輪と乳頭も一緒に切除されてしまうことが通常ですので、乳輪および乳頭を移植する必要があります。

以下に詳しく説明していきます。

乳腺切除術

術前

術後1ヵ月

術前

術後1ヵ月

施術名:女性化乳房症手術
副作用・リスク:痛み、血腫、感染、左右差、硬さ、感覚の鈍さなど
費用:55万円(税込み) 静脈麻酔2.2万円(税込み)

最も基本的な治療です。
発達して大きくなった乳腺を取り除きます。
発達した乳腺は体表からしこりとして触れます。
かなりはっきりとしたしこりで触れることもあれば皮下組織と混在してぼんやり硬く触れることもあります。

手術のアプローチとして胸の横側(体側)から皮膚を切開して取り除く方法もありますが、最も多く行われる方法は乳輪の辺縁から皮膚を切開し、乳腺組織を取り除きます。

乳輪の辺縁の下半分程度を切開して取ることもあれば少しずらしてやや外下方の乳輪の辺縁を切開することもあります。
また、その切開線を1cm以下にして乳腺組織を細かく砕きながら切除する方法も報告されています。
切開線をややジグザグにすることでより傷跡が乳輪にマッチするという考えもあります。

乳腺の大きさにもよりますが、ある程度の大きさになると乳腺を取り除いた部分が空洞になりますので、術後の出血がそこにたまらないようにドレーンという管を入れることもあります。

この管は2~3日置いておきます。

また、できるだけ出血をしないようにするために術後は軽度の圧迫を行います。

乳腺組織を切除したあとは皮膚切開部分を細い糸で縫合しますので、術後約1週間に抜糸を行います。

乳腺切除術の麻酔

乳腺切除術は大きさにもよりますが、局所麻酔のみでも可能です。
ただし、症状によってはかなり手術時間がかかります(~2時間)のでできれば静脈麻酔を併用した方が楽でしょう。

全身麻酔で行う医療機関もありますが、必ずしも必要ではありません。

脂肪吸引

術前

術後3ヶ月

術前

術後3ヶ月

施術名:女性化乳房症手術
副作用・リスク:痛み、血腫、感染、左右差、硬さ、感覚の鈍さなど
費用:55万円(税込み) 静脈麻酔2.2万円(税込み)

女性化乳房症の状態が皮下脂肪のボリュームによって胸が大きく見えている場合は脂肪吸引を行います。

脂肪吸引は3mm前後の細い管を使って細かく脂肪を吸っていく手術です。
吸引管の穴を作る必要があります。
通常は1~3か所程度が多いです。
脇のシワ付近、乳輪辺縁または乳頭の根元および胸の外側などに4mm前後の小さな穴を作ってそこから吸引していくことになります。

症状によって胸全体を吸引することもあれば胸の特に出っ張りが強い部分を中心に吸引することもあります。

一方向からの吸引ではなく、2方向以上からクロスをするように立体的に吸引をしていうことが通常です。

場合によっては吸引管の穴を糸で縫合しますので約1週間後に抜糸が必要です。

脂肪吸引は極端に言いますと風船がしぼむ状態になりますので、皮膚を良い位置に安定させるためにサポーターによる胸部を圧迫を行います。

特に肥満による偽性女性化乳房の場合、皮膚のたるみが予想されますので最低でも1か月程度はできる範囲で圧迫をしておくと効果的です。

脂肪吸引とは

脂肪吸引は機械で自動的に脂肪を吸っていくと思われることがありますが、実際にはかなり細かな手作業による手術です。
機械が勝手に吸ってくれるような手術ではありません。

脂肪吸引の映像だけを見るとゴシゴシされて乱暴そうに見えるかもしれませんが、吸引管を持っている逆の手で皮膚からの深さやどの部分をなだらかにするかなどを細かく探知しながら行う職人的な手術と言えます。

特に女性化乳房症の脂肪吸引の場合は起き上がったときと寝ている時で胸の膨らみ方が違うのでそのことを理解しながら脂肪吸引を行うにはかなりの経験を必要とする手術です。

脂肪吸引の麻酔

女性化乳房の脂肪吸引は局所麻酔および静脈麻酔を併用します。

局所麻酔はチュメセント麻酔といって、薄い濃度の麻酔液を多量に使用します。そうすることによって静脈が収縮し、出血を少なく脂肪吸引を行うことが可能になります。

胸をごそごそ吸引されますので静脈麻酔による鎮静を併用した方が精神的に無理な緊張がなく手術をうけることができます。

乳房切断(乳房切除)+乳輪・乳頭移植術

術前

術後1ヶ月半

術前

術後1ヶ月半

施術名:女性化乳房症手術(右乳房切除+乳輪・乳頭移植、左乳腺切除+脂肪吸引)
副作用・リスク:痛み、血腫、感染、左右差、硬さ、感覚の鈍さなど
費用:132万円(税込み) 静脈麻酔2.2万円(税込み)

女性化乳房症が重度の場合、乳房自体を切断することがあります。
乳腺切除や脂肪吸引と比べるとこの手術を行われる頻度はかなり低くなります。

この手術自体は女性化乳房という範疇を超えて例えば極度の肥満から体重が数十キログラムの単位で減った方のたるんだ胸を改善する目的でおこなうこともあります。

また、性同一性障害などによるFTM(Female to Male)の方の胸部形成術としても行います。

乳房全摘出になりますので広範囲の手術となります。
特に、手術中および手術後の出血の経過を見る必要があります。

通常は乳房を切断すると乳輪および乳頭もその切断部位に含まれてしまいますので、そのままでは乳輪・乳頭がない胸になってしまいます。

そこで切除したときにもとの乳輪と乳頭の全部または一部を形成した胸に移植します。
移植する場所は左右を見て一般的な男性の胸の高さになるようにデザインします。
乳房切断および乳輪・乳頭の移植は同時に行います。

手術部位に血液がたまらなようにドレーンを入れることがあります。これは手術後2~3日後に抜きます。
切除部分の抜糸はおおむね1週間後におこないますが、乳輪・乳頭の移植術の安定には手術後2週間程度かかります。

手術の翌日、翌々日くらいは医師に経過をすぐに診せれる環境であることが望ましいです。

乳房切断術は乳腺切除や脂肪吸引とは違って傷が大変大きく、目立ちます。
傷跡の経過として目立ちにくくなるまでには最低1年を要しますが、その後も傷が消えることはありません。

乳房切除術の麻酔

乳房切断術は全身麻酔または局所麻酔+静脈麻酔で行います。
局所麻酔だけでは身体的、精神的な負担が大きすぎる手術となります。

女性化乳房症の手術方法のまとめ

いかがだったでしょうか。女性化乳房の手術方法は主に乳腺切除や脂肪吸引になります。
上の二つの手術で難しい場合には乳房切断術および乳輪・乳頭の移植術を行うこともあります。

どのような手術方法で治療を行うかは診察をして最適な方法を判断することになります。

女性化乳房症とは

女性化乳房症の全般につきましてはこちらで詳しく説明しております。
参考にされてみてください。

【参考】当院の女性化乳房症の費用

価格は全て税込み価格で表示しています。

女性化乳房症手術 料金表

【通常症例】乳腺切除+脂肪吸引(またはそのどちらか)
通常価格 両胸 ¥550,000
片胸 ¥440,000
【下垂重症例】乳房切除(乳房切断)+乳輪・乳頭移植
通常価格 診察後に見積もり
その他の費用  
圧迫サポーター(当院で用意する場合) 1着 ¥22,000
乳腺組織検査(病理検査)
(希望者・必要時のみ)
¥22,000
静脈麻酔 ¥22,000
当院では乳腺切除、脂肪吸引などの追加で別途費用が加算されることはありません。
(症状が極端に強い場合には別途見積もりになることがごくまれにあります。)

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