(以下の症例はまぶたの皮膚に一切何もしていません。二重手術もしていません。)
以下の症例の施術名:経結膜的腱膜固定術
副作用・リスク:左右差、開きすぎ、効果の乏しさ、瞼の腫れ、目のゴロゴロ感など
費用:44万円(税込み)
眼瞼下垂症とはまぶたの開きが悪い状態を言います。
まぶたの皮膚のたるみがかぶさって目が小さくなっている状態は眼瞼下垂症とは言いません。
眼瞼下垂症の治療法で広く一般的に行われている方法は、皮膚を切開して挙筋腱膜というまぶたをあける筋肉の膜を瞼板に留めることで目の開きを改善する方法です。
ところが皮膚を切開せずとも挙筋腱膜を瞼板に留めることが可能です。
メリットは皮膚を切開しないため圧倒的に腫れ感が少ないことと切開特有の食い込み感がでないことです。
実はこの切開特有の食い込み感で悩まれている方が少なからずいらっしゃいます。
デメリットはたるみが強い方は皮膚が余ってしまう可能性があることと浅い二重の方は二重がさらに浅くなることがあることです。(二重の治療を同時または後から行えば解消されます。)
切らない眼瞼下垂症治療と聞くと聞こえがよくまた、実際の治療は一般の方には想像がつかないと思いますがいくつかの知っておくべきこともあります。
まぶたの裏から行う眼瞼下垂症の治療は大きく二つに分かれます。そして、この二つには一長一短あるのですが、根本的にはとても大きな違いがあります。
その違いとは、「挙筋腱膜を確実に瞼板に留めている」か「留めていない」かという違いになります。
挙筋腱膜を確実に留める治療は皮膚を切開して行う眼瞼下垂症と本質的に同じ治療になります。
留めていない方法はまぶたの裏から行う点で似ていますが腱膜を目で確かめて固定する方法ではありません。
これを区別しておくことは大切です。
どちらの治療方法も一長一短ありますが、後々のことを考えて治療の根本の違いを知っておくことは大切です。
極端な例を出してみようと思います。
例えば、買ったズボンの裾が長かったとします。裾上げをしたくて店にズボンを持っていったときに「できますよ。」と言われて依頼をした数日後に受け取りにいくと確かに裾上げされています。そこで裏地を確認すると単に安全ピンで留められていたとしたら人によっては違和感を感じると思います。
「安全ピンで留めると簡単にできますよ」とあらかじめ説明を受けて納得していれば全く驚かないと思いますが、説明を受けていないと通常は驚くと思います。
人によっては安全ピンで留めただけの裾上げは洗濯機で洗って大丈夫なの?すぐ取れないの?と思うかもしれません。
「取れることもあれば取れないこともある。」ということになります。
手術とズボンの裾上げは別次元の話ですが正直に言いますと「切らない眼瞼下垂症治療」という言葉には弱冠似たような話が存在しています。
通常の眼瞼下垂症の治療を知った方が同等の効果を「切らない眼瞼下垂症」に求めた場合にはまずその言葉よりも治療方法の根本を確認していただく必要があります。
皮膚を切らない眼瞼下垂症治療法は最初にお見せした図のように大きく二つに分かれます。
①一つ目はまぶたの裏の結膜に糸を通して「ギュッ」と結膜ごと縮める方法です。(埋没タッキング法)
(=いわゆる「切らない眼瞼下垂症手術」)
②二つ目は結膜を切開してまぶたの裏から瞼板から外れかかった挙筋腱膜という膜を本来の瞼板の位置に固定する方法です。
②の方法が本来、眼瞼下垂症で起こっている状態を根本的に治す方法ですが、その一方、①の方法は結膜に糸を通して盲目的に縫い縮める方法であるため、挙筋腱膜を確認せずに瞼板前面への固定がややあいまいな治療方法になります。
先のズボンの裾上げの話をしましたが、本来のズボンの裾上げが②の方法に近いとすれば、ただ単に安全ピンで留めた方法が①に近い状態と言えます。
では、①はよくない方法かというとそのようなことはありません。二重手術の埋没法に近いお手軽感があり、その方法で改善する人もいるからです。ただし、眼瞼下垂症の病態を考えると根本的な修復ではないので限界もあるというのが正直なところです。
具体的には、腱膜固定法にくらべると戻ってしまう可能性が高いといえます。
いわゆる埋没タッキング法による「切らない眼瞼下垂症手術」をお受けになられた方が再度眼瞼下垂症でご相談をいただく場合には以下のようなご意見をもってこられることがあります。
・あまり改善しなかった
・はじめは良かったけどすぐ戻った気がする
・再度相談に行くと次は皮膚を切らないとダメと言われた
といったご意見があります。
この場合は腱膜を目で確かめて確実に瞼板に固定していないことが原因である可能性を考慮する必要があります。
タッキング手術をお受けになられた方の再手術を瞼の裏から行いますと「緩いいわゆる埋没法のような糸」が瞼板に固定されずにでてくることが多いです。
また、癒着が複数個所に存在しています。
しかしながら腱膜は固定されていませんので、腱膜を固定してあげるとほとんどの場合、眼瞼下垂症は改善します。
本来、まぶたの裏から行う「切らない眼瞼下垂症手術」の適応があって初回手術で腱膜を留めない治療(埋没タッキング法)を受けた結果もし戻ってしまった場合には、次はまぶたの裏から腱膜を留めてもらうことを検討されるとよいと思います。
本来の眼瞼下垂症という病態に則した治療を受けると改善する可能性があります。
基本的に眼瞼下垂症手術はとても難しい繊細な手術であるため、埋没タッキング法で効果に限界があった場合にはまぶたの裏から腱膜を留めてもらえるかを治療をお受けになる前にあらかじめ確認されておくとよいと思います。
また、埋没タッキング法で術後1年以降の結果が出にくそうであればはじめから腱膜の固定を行うという見通しもでてきます。
本来、眼瞼下垂症手術とは永続的な効果を期待する手術ですがそれほどの根本的な治療を行った上でも戻りがありえるほど難しい手術です。
瞼の組織は細かくチャンスは何度もないため治療の方針をうやむやにせずゆっくり検討されるとよいと思います。
以下更新予定
価格は全て税込み価格で表示しています。
ミュラー筋温存法、ミュラー筋非温存法(ミュラー筋切離、ミュラー筋短縮)ともに | |
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価格 | 両まぶた ¥440,000 (片側は70%) |
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